「ちぃと待ってや。この面クリアしたらすぐいくからよ」

　その日までは、M○●Nに住む普通のゲーム好きのニューロキッズだった。いや、普通と言ってしまうには、ゲームが好き過ぎて、賞金の懸かったゲーム大会で何度も優勝してしまっているという特徴はあるにはあったが。
　その日――2回目の大津波の起こった日――中学生だった彼は、エネルギープラントの社会科見学に来ていた。突如ヒルコの大群が侵入したプラントは、学生たちを巻き込んで爆発炎上。多くの学友が犠牲となったが、朔夜は左腕を失い、重度の火傷を負いながらも何とか一命を取り留めた。
　ところが九死に一生を得たのは朔夜だけではなかった。爆発があったその瞬間、傷を負っていたタイラントの幼生が、朔夜の傷口から体内に潜り込むことによって致命傷を避けていたのだ。
　以後、互いに生き残ることは出来たものの、成長と共に朔夜の左腕に癒着してしまい、朔夜から養分を受け取らなければ生きていけなくなったタイラントと、事故の後遺症でタイラントの体液がなければ生命維持の出来なくなった朔夜との奇妙な共生関係が始まることになる。
　その後、朔夜のリサーチ能力とタイラントの戦闘能力を活かし、賞金稼ぎとしてN◎VAに移り住むことにした。やや引き篭もり気味だった朔夜の性格は、タイラントの影響からか自信に満ちた大らかな性格に変わってきている。またタイラントの方も、IANUSを通じて、時折引き出されるディクショナリの内容を記憶し、人語を解するようになった。
　朔夜はこのタイラントを“タラ坊”と呼んでいる。

読み仮名：もちづき・さくや


▼まとめ
http://one.freespace.jp/code1st1/nova/Sakuya.html

▼能力値上昇　10
▼技能修得　115+35
▼常備化　70
10+115+35+70=230
230-145=85