失せ物探し、浮気調査、子供の家出――何でもマル秘でお引き受けいたします。
　御用の際はクローバー探偵事務所へ！

「……って売り文句なのに――なんで荒事ばっか舞い込むんだよっ！」

　今も昔も、人の口には戸が立たない。しかして、人の口から飛び出る話は玉石混交はなはだしい。愚にもつかない噂話から情報という名の宝石の原石を見分けられる者のみが、それらを扱う資格を持つのだ。

　そんな情報の本質を掴む才能に恵まれた千里は、そのセンスを生かして探偵業に身を置いた。堅実な仕事ぶりからN.I.K.にも早々に加盟が許され、まずは順風満帆な滑り出しだった。
　だが、とある事件で裏の世界に関わってから、彼の生活は一変する。
　どこの誰の口から噂が立ったのか、カタギとは程遠い厄介事が、次から次へと事務所を訪れるようになった。

　黒い髪をオールバックに。顔立ちは整っているが、あまり凛々しいとはいえない。体つきも含めて、良くも悪くも人並みな外見といえる。
　生来の人の良さが災いし、現状に嘆きながらも依頼に来る人を見捨てることもできないでいる。
　唯一にして人並み以上の趣味は車関係。災厄以前にその悪名を轟かせたトラバント601の外装で、中身をカスタマイズ・チューンアップ・コンバート――とにかく弄りに弄り極めた“トラビー6001”を愛車にし、幾つかのレースで記録を残したこともある。
　護身用の銃すら持たず、その代わりのつもりか携帯用のハンディバイクを常に小脇に抱えている。

▼能力値上昇
▼技能修得10
▼常備化