「あぎゃぁぁぁ！！　うそーっ！！　全部なんか写っちゃってるぅぅ！！！」
　――心霊写真ばかり撮れます。

「にひひ、貴方の決定的瞬間、ばっちし納めさせて頂きました♪
　このネタで三日はご飯たべれっぞー！　ひゃっはーい！」（脱兎
　――腕はいいんだ、腕は。


“しんれいしゃしんか”かやま　ゆめこ

N◎VAスポと最近契約した若きトーキー。
母親が霊媒体質であった影響で、自分も生まれ付いて霊感が高かった。
物心つく前にはそれが当たり前だったため、本人にはあまり違和感はなかった。
だが病死した母から、今際の時に貰った――今は形見のカメラを手にした時。
彼女は、本当の力に目覚めた。

　　　――魔性の弱体化、そして封印の力。

彼女がシャッターを押す。
それは、そこに“存在するはずのないもの”までも映し出してしまう行為となる。

だが働かざる者食うべからず。
母子家庭だった彼女は、唯一の肉親を亡くした後は悲しみに暮れる暇もなく、現実問題として働かねばならなくなった。
そのため写真の腕を生かしてN◎VAスポと契約し、いっちょまえのカメラマンとして学生との二束のわらじを履くこととなった(学生を続けているのは、母親が苦労して自分を学校に行かせてくれたため。そのため、せめて高校はちゃんと卒業しようと思っている)。

しかし心霊写真ばっかり取れてしまい、使い物にならない。
そして、編集長は言った。

「もういっそ心霊写真特集やれや、な？」

そのため、心霊写真家としてちょっとだけ有名になってしまった。
心霊スポット特集をした眉唾な記事も書いているが、大抵取材に行くと撮影によってお祓いが行なわれてしまうので、記事になった頃には心霊現象が起こらなくなったりするという謎のジレンマも発生している。南無。
もっとも、カメラの腕前と才能は突出しており、まさしく“若き写神”なのだが……如何せん、写るのが写るものなだけに、色物カメラマンにしか見られていない。

【祓写機】
母が形見として夢子に残したもの。
アンティークな造りで、化石級のフィルムカメラ。多分に趣味的一品。
夢子の霊力を増幅させる装置であり、これを手にしたことにより、夢子は視える以上の退魔能力を目覚めさせることとなった。


ＧＴさんに頂きました、夢子のＳＤ画です。多謝ッ！！
http://pds.exblog.jp/pds/1/200707/29/59/e0068959_1952819.jpg