「世を支配するのは力じゃ！　力なき者に物事を語る資格なぞないわ!!」

「次の当主には、お前がなるのじゃぞ、のう柚木よ」


旧名：片桐哲哉。
片桐柚木・柚葉の実父、武上優姫・片桐貢嗣の兄。
片桐本家の前当主。
同じ兄妹でも優姫や貢嗣とは異なり、権力欲の強い人物であり、そのためであれば手段を選ばない非情な人物。のし上がるために、過去には片桐の姓を名乗る資格を失った自分の娘すら実験体に供した事もある(当然のごとく娘の母親である妻は激しく抵抗したが、闇の虚無へと飲み込ませて殺害した)。
聖母殿からは既に追放されており、聖母の加護たる証もとうに失った。だが、飽くなき権力欲によって別の力を着々と得ている。
当然のごとく柚葉からは殺害対象として敵視されており、また柚木からも絶縁状態となっている。


（「どろうみのかいぶつ」「しっこくのせいじん」もりたに・てつや）



[以下秘匿情報]
▽自身をオリジナルとして、それを隠匿するため弟の貢嗣の使う呪文詠唱を刷り込んだクローン体として真庭博明を作らせたのは彼である。作成目的は自らの脳を移植しての延命措置であったが、しかし出来上がったクローン体は期待した程の魔力を持たなかったため、片桐一族からは放逐され記憶も抹消された。無論これは博明自身は与り知らぬ事である。因みに貢嗣には、技術者でもある彼が当主となって片桐家が所有する研究所の全てを掌握された際に、この事実が知られている。なお、貢嗣が当事者である博明にこの事実を告げてないのは、野に下り情報屋として生計を立てている彼を陰謀渦巻く片桐一族から遠ざけるため。

▽自分以外のありとあらゆる人間を、道具としか見ていない…と言うよりも見る事ができない。魔力を持たない人間には欠片ほどの価値も見出さず、また持っている者達でも(自身以外の)不幸を演出するための道具として見なしている。彼の持つ倫理観は既に破綻しており、貢嗣の思いを知りながらも白峰紫織を己の妻とした事や、実の娘であるはずの柚葉を実験体に供した事、それに激しく抵抗した紫織を自らの手で排除した事、技術的には柚木に視力を取り戻す事が可能である事を知りながらもそれを許さなかった事、そして貢嗣は証拠すら掴んでいないのだが既に武上本家に嫁いでいた妹の優姫をも脅威と見なし病死と見せかけて呪殺した事、等々…彼が当主であった時代に行ってきた非人道的な行為はいちいち挙げていったらきりがない程である。

▽諸々の悪事の足が付いたのは、警備員の一人から奪い取った拳銃を初めて手にする事となった柚葉が当時研究所にいた研究員・スタッフの全員を殺害した事件によるもの。それを切欠として聖母殿異端改宗局からエージェント達が片桐本家・研究所などへと派遣され、検証の結果当主である哲哉が元凶と判明したため、聖母殿から放逐される。また、この一件により片桐一族の信用は地に堕ち、その責任を取る形で哲哉は一族からも放逐され、代わりに公正さで知られる貢嗣が新しい当主として祭り上げられる事となったのである。このため哲哉は片桐一族と聖母殿の全てを憎み氷の静謐へと身を投じているが、とりわけ彼が激しく憎んでいるのは事を露見させる引き金を引いた柚葉と、予想以上の能力を発揮して幾度も当主への返り咲きを阻んできた貢嗣とである。

▼能力値上昇
▼技能修得
▼常備化