ロシア系ハーフの少年。落ち着いた雰囲気と高い背丈。青年と呼ぶべきか。
ファミリーネームは名乗らず、ただ「ルカーヴ」とだけ自己紹介する。
ボディガード志願で幾度かナイトワーデンの門を叩いているが、
何らか──恐らくは親戚関係──の理由で門前払いを喰らい続けている。

──

〈元力：病毒〉。息吹一つで幾千万人を生きながら腐らせた“不浄王”を始祖とする血脈。
人類が医学を発達させると共に概念自体が弱められ、近代以降は発現していない。
しかし、その血は絶えていない。そして今、電子の毒／人造の病が蔓延る災厄の時代。
目覚めの時は、近い。

──などという、彼ら朽暮院一族の伝承を信じる者は(身内でさえ)多くはない。
だが、朽暮院の名が“不浄の”という枕詞で語られるのはストリートの現実だ。
毒物薬物変異生物といった“武器”を得意とする者が多い──というのも一つだが、
何よりも彼ら独自の慣例──蠱毒めいた一族同士の殺し合いが理由として挙げられる。

最も熱心に一族狩りを行うのは、一族の伝承を信じる者(多くは霊能者)たち。
病毒の血を高めるには蠱毒の法を以て他に無いと考え、文字通り血を狩り集める。
伝承に熱心でない者も他人事ではない──現れた一族が、伝承派でない保証はない。
そして仮に違ったとして、向こうがこちらも同じだと考えてくれる保証もない。
殺さない者は遠からず殺される。殺せなかった者もまた殺される。
同じ朽暮院の一族を殺し続ける者たちだけが生き残り、血を伝える。
その日々は──血脈云々は置いても──彼らの手を汚し、業を磨く。
それが故の、“不浄の”朽暮院。

──さて。ここにまた一人の朽暮院が、齢16を迎え野に放たれた。
(この年齢制限は“目覚めている”元力の数に由来しているというが、真偽不明)
筋は良い(カゲ◎)。素質もある(バサラ●)。だが、殺しを嫌う眼差(カブト●)。
その気高さがどこで傲慢に変ずるのか。手段が目的と化すのはいつか。

狩り頃に熟すのが待ち遠しい。さりとて展開を焦れば興が冷める。
……ああ、愉しみになって参りましたねぇ！

▼能力値上昇
▼技能修得
▼常備化