「それじゃあ、次の曲！　『びっくりどっきりバケツパフェ！』　聴いてください！」

　スラムの片隅の小さなライブハウスを中心に活動している
　ガールズバンド“すーぱーN◎V＠”
　歌唱力もまぁまぁなら演奏もまぁまぁ。詩も曲もやっと及第点。
　そんな彼女らなのに、なぜかぼつぼつと客が集まりつつある。
　たまにであるが、彼女らの演奏を聴いていると“曲が見える”というのだ。
　曲や詩に合わせて、その曲の雰囲気や詩をイメージするような映像が浮かんでくる。
　時には映像のみならず、その場の空気の香りや温度、あるいは風の肌触りまで。
　その幻想の世界が癖になり、再び見たいとリピーターが増えてきているのだ。
　しかしそんな演奏のデモンストレーションがデータクリスに保存されるはずもなく、
　彼女らが評価されることはない――はずだった。
　
　ある日突然、“すーぱーN◎V＠”のギター兼ボーカル
　星ノ丘りなのメジャーデビューが決まる。
　彼女らの噂を聞きつけたCMEのスカウトマンが、
　りなのルックスに目を付けたのだ。
　――世代交代の激しいグラビアアイドルの数多の使い捨ての駒のひとつとして。
　
　口先では“すーぱーN◎V＠”のメジャーデビューを約束されてはいるが
　当然契約書の中にはそのような文言はなく、
　しかしその約束をちらつかされては、
　キワドイ衣装に身を包み笑顔を振りまいているのが彼女の現状だ。
　
　アイドルとしてデビューしてからは随分と目立たなくなってしまったが、
　彼女には隠れたもう一つの顔がある。
　孤児であり、ストリートキッズであった彼女が、
　高価なバンド機材を購入する術として使ってきた――“電賊”としての顔である。
　尻尾に青いリボンを結んだ黒い子猫のアイコンを使って電子の海を駆け廻る姿は
　かつてのブラックキャットとの関係性を噂されているが、
　しかしその真偽は定かではない。
　

　――　*　――　*　――　*　――　*　――　*　――　*　――　*　――　*　――


成長指針：
〈マエストロ〉は折をみてちょっとずつ成長させていく。


▼ReBuilded ver.OE　2012/05/22

▼能力値上昇　0
▼技能修得　95+220
▼ワークス　10
▼常備化　55
0+95+220+55+10=380
380-145=235