聖母殿秘蹟管理局に一丁のリボルバー式大型拳銃が保管されていた。
　銘は『グラーシャ･ラボラス』。
　悪魔の名を刻まれたその拳銃は、しかし何の役にも立たぬ代物だった。
　構造上の問題は一切見つからないにもかかわらず、
　その銃が弾丸を放つことは一度としてなかったのだ。

　あるとき聖母殿秘蹟管理局は、
　N◎VAに住む一人の男にその拳銃の詳細な鑑定を依頼した。
　男は聖母殿のエージェントとしてはすでに引退した身であったが、
　その鑑定眼には信頼のおけるタタラであった。

　しかし、そこで一つの事件があった。
　たまたまちょうど外出していた男の代わりに、
　その孫娘が荷物を受け取り、勝手にそれを開いてしまったのだ。
　
　娘がその拳銃に触れたとき、
　その拳銃は誰にも聞き取れる声で、娘にこう語りかけた。

　「ぁ、ちくしょ！　何でてめぇそんなガキなんだよ？！
　　俺はもっとこう、むちむちぷりんのお姉ちゃんが好みだってのに！」

　娘の名前は、るかな・ルイーズ・瑠璃川。
　そのときまでは、友人たちから“るるる”と呼ばれる、
　目下パルクール（フリーランニング）＆バーストブレードに夢中の
　元気が取り柄の普通の女の子だった。

　　――　*　――　*　――　*　――　*　――　*　――　*　――　*　―― 

　るるるは、聖母殿秘蹟管理局の元エージェントである祖父をもつ
　N◎VA生まれのクォーター。
　父親はヴィークルの技師で、小さなバイク屋を経営しているが
　その実、大手メーカーから相談を持ちかけられるほどの技量の持ち主。
　るるるの自慢のバーストブレードは、
　父親に無理を言って作ってもらった特別チューンモデル。

　事件を切欠に聖母殿のエージェントとして訓練をはじめるが……

　「ボクに魔術の基礎理論とかむーりー!!!!」

▼能力値上昇　0
▼技能修得　110+55
▼常備化　175
▼ワークス　10
0+110+55+175+10=350
350-145=205