「――ィ、ピぅ」

　後方処理課に買われ、そして飼われているヒルコ。
　幼い少女の姿をしている。なお、言語を理解しても喋ることが出来ない。
　暴走状態においては単身で屍の山を築くほどの戦闘能力の持ち主。スラムで生存本能から暴走し、周辺を血の海に変えた。
　その際に後方処理課に捕獲される。前述の戦闘能力ならば、後方処理課のエージェントと言えどもただでは済まないハズだが、彼女の捕獲は恐ろしくスムーズに進んだ。
　オフィスで一定の教育を受けた後、司馬継雄に師事。元から持つ戦闘能力に、師である司馬との訓練で磨かれた格闘センス、そして隠密能力が加わった彼女の刃は、さらにエッジになった。
　彼女は後方処理課オフィス内にある一室に身を置いているが、時折、そこを抜け出しているようだ。しかし誰もそれを咎めない。行き先はいつも決まっているからだ。
　発見時には血まみれで襤褸をまとい、みすぼらしい姿だったが、後方処理課での教育の後は容姿面も磨かれ、普通にしていれば大人しい印象を与える可愛い少女である。

　なお司馬自身、彼女の指南役になることは不本意であったと言う。
　本当の姿かどうかは別として、幼い少女の姿が自分の娘とかぶったからか。だが彼は仕事においてそのような感傷は、少なくとも表には出さない男だ。
　ならば、彼が本意で無い理由は、他にもあるのかも知れない。

▼能力値上昇
▼技能修得
▼常備化