――――「教えてくれ怜呀議員、“今の私”はあとどれ位持つんだ？」
　　　　――――「空間把握……大人一人動ける程度のスペースがあれば問題ない」
　
千早重工後方処理科にて、班を大きく超えて活動する、外見年齢十歳前後の少女。
記憶をクローン体に転写している為、実年齢より遥かに幼い容姿をしている。
アーマーギアとウォーカーの中間兵装とも言える“ノクチャー”を駆る。
この不安定な兵器は操縦にE.S.P等のアストラル的な適性と投薬が不可欠であり、
適性のある彼女は過剰な投薬処理を行い、今まで多くの彼女が“消耗”されている。
だが、それでも彼女は厭わない。
“ノクチャー＝梟”、戦女神の象徴の名を冠する機体。
これに乗っている間が、何よりも自分を強く感じるから。

【“Noctua”Flying_Walker_Gear　type-72 限定空間用可変型ヴィークル】
・低炸薬有線誘導ミサイルランチャー：屋内倒壊を防ぐ為のピンポイント炸薬兵装
・精神感応自律飛行翼：テレパシー操作の護衛機。バリア発生と各援護を行う
屋内や渓谷など、狭所での戦闘を目的として開発されたヴィークル。
ファルコンと近しく、アーマーギアとウォーカーの双方の技術を用いており、
２ｍそこそこの大きさでありながらの航空形態への可変機構を搭載し、
ごく限られた空間内での３次元戦闘を可能とする反面、
パイロットは成人を大きく下回る体格の者しか搭載できない。
また、稼働にはテレパシー等のE.S.P的なアストラル素養が強く求められており、
一流の能力者をして尚、過剰なまでの薬物投与が必須となっている。
Illustration：影久氏より。謝々！