「ええ、さっきそこでキャッシュをなくして困っている外国の方がいらしたので
　私の口座からチャージしてあげてたの」

　清和学園に通う女子高生。
　ほかの学生と混ざっている姿は、特に取り立てて言うこともない美少女である。
　しかし少し観察してみれば、彼女のお人好しぶりはすぐに分かることだろう。
　いろいろなところでアルバイトしているが、
　それというも彼女が別にお金に困っているわけではなく、
　頼まれて交代しているうちにいつの間にかレギュラー入りしてしまっているからだ。
　（今は主にオープンカフェのウェイトレスをやっている）

　そんな彼女の密かな趣味が“刀剣マニア”という一面である。
　幼いころに、江戸時代から続く神主の家系であり刀鍛冶である父親から
　指先の器用さを育む意味も兼ねてお守りの小刀を持たされたのだが、
　彼女はそれによって、その機能美や芸術性、そしてそれに反面する怖さを学び、

　　――いつしか刃物という刃物に心酔するようになる。

　それから数年後。
　彼女が中学生になったある日、迷い込んでしまったとある古本屋で
　『刀剣図録』という古びた分厚い本に手を触れた。
　不思議なことにその本は彼女の身体の中に入りこみ、一体化してしまう。
　なんとか取り出すことはできるが遠くに離れることはできない。
　仕方なく彼女はその本を買い取ることとなり、
　それ以来、とうとう彼女は“刃物と心を通わせる”ことができるようになってしまう。

　さらに『刀剣図録』には
　古今東西さまざまな刀剣類を取り出せるという不可思議な能力があり、
　彼女はその刀剣類と“語り合う”ことで、
　それをまるで達人のように操ることができるようになった。

「できましたら、“試し斬り”させないでください。
　　　　　私は刃物を持ってしまうと、少しばかり気持ちが昂ぶってしまうので」

　料理は苦手。なぜなら、どういうわけか包丁とだけは仲良くなれないから。

▼能力値上昇　0
▼技能修得　125+70
▼エニグマ　0
▼常備化　195
▼ワークス　10
0+125+70+0+195+10=400
400-145=255
895683