「ってやんでぇ！　俺の寿司は世界を変える寿司だつってんだ、べらんめぇ！」

　伝統を守り、新たな風を取り入れる――江戸と呼ばれていた時代から脈々と受け継がれてきた老舗でありながらN◎VAで最先端を行き、常に行列を絶やさない寿司屋――そこの一人息子として生まれた翔（かける）は、父の技術を認め尊敬しながらも、何か違和感を持っていた。この店を継ぐことは何となく理解していたし、修行の期間が長いことも理解していた。

　――しかし、感じていた違和感を拭うことはできなかった。

　12歳の頃から修行を始めていた翔は、17歳になったとき家を飛び出した――なかなか一人前と認めてくれないことを理由に。本当の理由を表に出さぬままに。
　そして世界中を旅して周りながら、自分の寿司を究めようと決心した。いつか父の創る寿司を超えよう、と。

　そして10年の月日が流れたが、未だ父の寿司を超えたとは思えない。そしてある日ふと思い当る。“あの理由――少年時代に感じていた違和感の理由”を見出した時、父を超えられるのではないか？　父に挑戦することで、父に敗北することで、何かを見出せるのではないだろうか？
　そう考えて再びN◎VAに戻ってきた翔は愕然とする。――店も親父も、どこにも見付からねぇ！

　何故消えたのか、何処へ消えたのか。総ては謎のまま、翔はこの繁栄と背徳の街で新しい第一歩を踏み出した。究極の寿司を求めて――


名前読み：やまと　かける

▼能力値上昇 10
▼技能修得　180+85
▼常備化　20
10+180+85+20=295
295-145=150