「誇り？　それは違う。私はただ、納得が出来なかっただけだ」

　ストリートに生きる多くの者達と同じく、脛に傷を持つレッドエリアの住人。
　ダーティワークに手馴れており、幾つかのフィクサーから高い評価を得ている。

　彼は元々ルテチアに仕える非合法工作員として名の知れた人物だったが、
　テラウェアに吸収合併された事を機に退職、放浪の末に災厄の街に流れついた。
　その頃の戸籍は抹消されており、今の彼は完全なイレイスである。

　退職の原因は、彼のバディがテラウェアとの小競り合いで命を落としている事。
　企業人としての彼はそれを割り切っていたが、人間としての彼は納得できなかった。

　テラウェアのお膝元とも言えるＮ◎ＶＡに腰を落ち着けている理由は定かではない。
　真実がストリートに流れる幾つもの無責任な噂にあるのか、それとも彼の心中にだけ存在するのか。
　それは、どんな凄腕のフェイトであろうと見極められない事なのかもしれない。

「渡り烏は何処にでもいて、何処にもいない。
　それが私の生き様だよ。今迄も、これからもね」

▼渡り烏(わたりがらす)
　災厄を乗り越えて、都市の至る所でしぶとく生きる烏のように『何処にでもいて、何時の間にか風景に溶け込んでいる』事からつけられた二つ名。
　彼は光学迷彩等に頼って姿を消すのではなく、姿を現したままでその場の景色にごく自然に気配と姿を溶け込ませてしまう。
　その力は諜報活動や暗殺等に如何なく発揮され、幾つかの逸話は今でも裏社会で語り草になっている。
　中には『諜報活動中に、敵対企業の社内食堂でごく普通に食事をし、誰にも不自然であると思われなかった』などと言う眉唾物の伝説まであるという。

▼能力値上昇 ▼技能修得[120]+150 ▼ブランチ +10 ▼常備化 +55