[TSUKUYOMI July]

タタラ街の一角に研究所兼製作所を構えていた研究者。
過去形なのは他でもない。──既に消し飛んでしまったのだ。
如何に爆発と異臭が風物詩のタタラ街とは言え、あの事件は伝説として語り継がれよう。

──と、言う訳で。
彼が今まで蓄積して来た技術の結晶は、かなりの部分が吹っ飛んでしまった。
資材もない、機材もない、場所もない。これでは研究製作のしようがない？
──否。彼の科学力はその程度で阻害されたりはしない。
何故なら、彼は超科学技術者。
その辺のタタラとは、扱う技術のケタが違うのである。

実際、彼の技術力は他人に理解できる説明ができない事を除けば非常に高い。
研究所を構えていた頃は、毎日のように企業や軍の諜報員が侵入しては散っていったものだ。
彼は、一体どこでそんな技術を身につけたのか？
そう問われると、彼は決まってこう答える。

「いや、それがさ。ぜんぜん覚えてないんだよねー。はっはっはっは」

困ったものである。

▼能力値上昇
▼技能修得
▼常備化