「これやっといてね、お願い。それじゃお先に〜♪」

　彼女は総ての仕事をそつなくこなす。――会社の評価では。
　しかし、彼女が雑用以外の仕事をしているのを見たことがあるか？
　たいていの場合、返ってくる答えは――否。
　では、どうしているか？
　社の内外を問わず、彼女に助力している――いや、させられている人々がいるからだ。

　愛くるしい笑顔とよく澄んだ笑い声。そんな彼女を見ているうちに、いつの間にか彼女に仕事を押し付けられている。そんな経験をしたことのある千早社員は少なくないはずだ。
　しかしそんなときに限って、なぜだか自分にはないと思っていた能力が発揮できたり、いつも以上に仕事が捗るのはなぜだろう？

読み仮名：ちかはら　りりか



◆千川原アート財団
　千早重工の大株主のひとつ。
　ハザード前の芸術、文化遺産を蒐集、保護、管理することを目的とした財団法人。
　その実、千早重工（主に後方処理課による）が非合法的に蒐集した物品を秘密裏にロンダリングするための仮面団体でもある。
　りりかはその千川原アート財団の現理事長令嬢であり、形式としては出向社員である。
　彼女は幼いころから芸術的センスを磨かれてきており、贋作師としての腕前にも確かなものがあるが、滅多なことでその才能を表に出すことはしない。彼女自身の能力は決して平凡なものではないのだが、それらも同様である。
　それらの才能は、彼女自身のある目的のために――

▼能力値上昇　10
▼技能修得　85+60
▼常備化　40
10+85+60+40=195
195-145=50