ハウエル・ヒューズか――あぁ、奴はカーライルの構成員だ。
　いつも気取って上品なスーツを着ちゃいるが、育ちの悪さと悪人面は隠せない。そもそも、隠す気もないんだろう。ハーレム生まれのハーレム育ち、Blakkの癖にHIPHOPもできねぇ野郎がいい服着てぇと思うなら、組織に入るしかなかったんだろうさ。
　あぁ。それで、奴が根っからの悪人かと言われれば――
　俺は断言するぜ。アイツは正真正銘の極悪人さ。

　あんた、今幸せかい？
　――そうだな、こんなところで俺みたいな奴に話聞いてるようじゃあ、人並みの幸せって奴からは程遠いだろう。
　いや、からかってるわけじゃあないんだ、ハウエルの話だろう？
　アイツはな、人が「絶望する」のが大好きなのさ。
　「絶望している」奴じゃあない。
　愛し合ってるカップルの、男の目の前で女を撃ち殺す。サンタがあげたプレゼントを、当の子供の目の前で粉々になるまで踏み潰す。
　幸せな人間が不幸のどん底に突き落とされる。その瞬間がアイツにとっての至福の時なのさ。

　何故？
　性癖に何故もないと思うがな。あぁ、だが、心当たりはあるぜ。
　アイツは疫病神なのさ。
　そう、ハーレムに居た頃からそうだった。
　ガキのころ、アイツのつるんでたグループと他のチームの抗争があったんだ。お互いガキの集まりだが、いっちょ前にクリーナーなんて持ち出してな。
　グループのリーダーはガキの浅知恵なりに策を練って、敵のボスに一瞬早く狙いをつけた。勝利を確信してトリガーを引いた瞬間――

　ガギン。

　ジャムったのさ。
　リーダーは当然蜂の巣だ。鉛弾喰らって血塗れでぶっ倒れる。その時、後ろで隠れてたアイツの顔が見えたのさ。
　笑ってやがった。
　堪えきれない笑いって奴だ。
　必死で悲しい顔をしようとしてるのに、頬が吊り上がっちまってしょうがないって面だ。
　そのリーダーは、アイツの実の兄貴だったってのに、だ。

　アイツは生まれつきの疫病神だ。
　アイツとつるむ人間は、誰もが成功を確信した瞬間失敗する。そして絶望するんだ。
　だからアイツは幸せになる為に、人の絶望を自分の幸せと思うようになった。
　一種の自己防衛って奴かもな。

　アイツが、組織に入ったのは……カタギの人間じゃあなく、自分と同類の悪党だけを絶望させる為かもしれねぇ……って、思う時がある。最近な。
　いや、多分気のせいだろうな。親バカ――いや、兄バカって奴だ。聞かなかったことにしてくれ。

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参加アクト   
　“―“家族-Family-”―”ＲＬ：揚紅龍さん　獲得経験点14  

▼能力値上昇
▼技能修得
▼常備化1