拳。
人の思いが武器と為る時、人の持つ手は武器と成る。
それは何よりも、純なカタチ。

　

サキは人の強さに魅入られた男だった。
それ以上でもそれ以下でもない。
彼が求める物は、唯一つだ。

――拳。

――何よりも強い、拳。

――何よりも強い、人の拳。

ただ、それだけの代物だ。

　

無造作に、短く刈り込んだ黒い髪。眼光鋭く凛々しい面構えには、幾らか無精髭も残る。
鍛え抜かれた身を覆うのは、襤褸と見間違うようなシャツにボロボロのジーンズのみ。サイバーウェアや武装はもちろん、身を守る物やトロンさえも身につけない。
行く先々で適当な仕事を引き受けては、それを路銀にまた別の地へ向かう。日々の鍛錬を欠かすことはなく、振るう拳は常に最強の一撃を追う。
気の良い人柄の好青年だが、自他共に厳しいストイックな性格。
戦う為の技術でなく、ただ最強の拳を求める自身をしばしば「一人の拳人」と自称する。

▼能力値上昇
▼技能修得
▼常備化