かつてテラウェアにおける研究の被検体にしていた“電脳オタク”高幡昌樹を模して作られた存在。
その目的は…電脳聖母事件発生時、テラウェア実験施設からの脱出の際に用いられたとされているシステム、“Southern-Cross”の再現。









【以下ネタバレにつき注意】
高幡昌樹…本名マーク・Ｋ・ベルベット・Jr.(Mark Klein Velvet Jr.)は電脳聖母事件のドサクサに紛れて自らのプロファイルの全ては勿論のこと、テラウェアに記録されていた実験データやDNAデータまでをも改竄している。故に、Ｎ◎ＶＡに留学生としてやって来て清和学園高等部三年に編入する以前のプロファイルは全て、高幡自身の手によって偽造されたものである。
ＡＸＹＳ出身である事だけは本当だが、留学生としてＮ◎ＶＡに派遣されたくだりは真っ赤な嘘である。また高幡は両親不在で、奨学金とプログラミングの収入とによって生計を立てていたとあるが、これも嘘。実際のところは、フリズスキャルヴ在住の実父(エグゼク◎)によってテラウェアへと売り飛ばされて実験体とされていたのである。実父に見初められ、彼に取り入ることによって軌道市民権を獲得した愛妾(マネキン◎)の子として生まれた高幡は、先天的に電脳との高い親和性を持っていた。それは成長するにつれ更に…通常では考えられないほどに高くなり、其処に商品価値を見いだした実父は高幡に幾重にもサイコアプリによるブロックを掛けた上で、当時急成長を見せていた北米のトロン企業テラウェアに売ったのである。勿論それらのブロックは高幡が電脳聖母事件時に元々はテラウェアの実験施設からの脱出のために開発した、セフィロトベースの“Southern-Cross”による超高速演算により全て解除されており、セフィロトを唯一の例外とした企業関係者に…とりわけテラウェアと軌道系企業関係者に嫌悪感を抱いている理由ともなっている。なお、“Southern-Cross”のベースとなるOSとしてセフィロトを選択したのは、テラウェアへの強い憎悪もさる事ながら、そもそもセフィロト自体が電脳聖母事件時に活発に動いたAI達との親和性の高いOSであるからなのである。有機生命体でありながら電脳との親和性が極めて高い高幡に最適化されたその“Southern-Cross”の機能を全解放すると、ありとあらゆる事象…それこそ奇跡と呼べるほどの事をも電脳による超高速演算によって再現可能とする(但し今のところ技術者としては三流である高幡は、電脳が全く使えない状況だと取れる手段が限られてしまうのだが←新星帝都大学の先輩でもある朧[因みにウェット]には全く頭が上がらないのは、これが一因)。故に、“電脳オタク”である高幡はニューロにとっては名誉ある称号である“Wizard-魔術師-”ですらまだ温いという意味にて“Deus-神-”と呼ばれることすらある。
なお、高幡が専ら一般市場にて流通しているタップ(つまりは業物ではない商品)を愛用しているのは、日常生活を送る上においては、その強大に過ぎる“Southern-Cross”の力をハードスペックという枷を掛けることによってセーブするためである。

▼能力値上昇
▼技能修得
▼常備化