「見せて、貴方のズタズタになった心を…貴方の心の血を」
　――音もなく、そして傷もなく、人を斬る。

「…人間って、変」
　――こっくんと首をかしげるコッペリア。

Loana
少女は綺麗な瞳のコッペリア。
少女は壊れてしまったコッペリア。
壊れた肉体は直せても、壊れた心は直せない。

ストリートを徘徊するアヤカシ。
天才と呼ばれた人形師が、最愛の娘のために造り始めた最高のフランス人形。
だがそれが完成する前に、人形師の娘は天に召されてしまった。
失意のままに人形師も、娘のためのこの人形を完成させることなく、哀しさを紛らわせるために酒に溺れて死んだ。
一人残された人形の残骸。与えられなかった人形。与えてやれなかった人形。
それに、神の悪戯によって宿った魂。――しかし、彼女の誕生はあまりにも悲壮の念に包まれたものだった。

未練と執念。
彼女の魂を構築するものは、その二つ。
その二つがぶつかり合い、そして魂の破綻が訪れて破滅へと向かう。
壊れた人形は、やがて殺戮人形に変わった。
衝動のままに人を殺し、生きる。――その心の底で、今は亡き父を求めながら。

ゆえにサロンのアヤカシからはたびたび眼をつけられるが、今のところ狩場のルール自体は守っているらしい。ただし、それは生存本能の一種に近く、表立って逆らうことを意識的に避けているわけではないようだ。
もっとも、何故かアルドラとは旧知の仲であり、多少のことは眼を瞑ってもらっている…と言うのが現状。

普段はゆっくりとまるで低血圧っぽい感じで喋る。いろんなことに興味を持つ。
だが、それに騙されてはいけない。――見た目は美しくても、心は壊れているのだから。

▼能力値上昇
▼技能修得
▼常備化