「戦いたくない、殺したくない――
　　　　　　　　――なのに、どうしてあたしは戦えるの？」

　聖母殿秘蹟管理局が、永年に渡って管理秘匿封印してきた、危険な剣があった。何人も拒むかのように、それに触れる者すべて死に追いやり、常人が振るえるのかも疑わしいほど巨大なその剣には、幾つかの謂れがあった。
　曰く――“災厄”と共にこの世界に現れた。
　曰く――“災厄”を引き起こす原因となった。
　曰く――その剣の使い手が現れたとき、再び“災厄”が訪れる。
　いつしかその剣は、“ハザード・ブリンガー”と呼ばれるようになっていた。

　その剣がある日忽然と消え去った。

　秘蹟管理局が数年をかけて捜索した結果、剣と同時に、見たこともないような服装を纏った記憶喪失の少女が、同時に発見された。
　担当局員たちはそのとき、少女に対する危険回避のため、無理やり剣をその少女から引き離そうとした。――彼らは浮世の総てのしがらみから開放された。

　調査の結果、彼女は異世界から剣に召ばれたその使い手であろうといわれている。彼女は異世界で数限りない戦闘を潜り抜けてきた戦士なのである、と。

　彼女自身にも、自らの戦闘能力にはまるで身に憶えがないうえ、必要に迫られなければ戦おうとしない。むしろ、戦いを忌み嫌う。

　彼女を放置しておくことは出来ない。しかし、彼女に対し無理な行動を起こすことは死を意味する。聖母殿は、彼女の扱いを図りかねている――

▼能力値上昇　0
▼技能修得　90+85
▼常備化　70
90+85+70=245
245-145=100