「さぁ、どうだろう？　なにせ俺は、単なるプログラムだからな」

　嘗て、闇に葬られようとしていた暗殺専門のAIがいた。ターゲットにも誰にも気付かれず忍び寄り、IANUSを焼き切るだけが仕事だった。
　嘗て、廃棄処分にされようとしていた音楽演奏専門のDAKに宿ったアヤカシがいた。自らが奏でる音楽で、人々を楽しませることだけが仕事だった。
　アヤカシが奏でる音楽に心を奪われたAIは、たびたびアヤカシの許を訪れた。いつしか種族を超えて、二人は恋に堕ちた。だがそれが原因で、AIは位置を特定され、破棄される。哀しみに打ちひしがれたアヤカシも、敢えて逃げようとはせず破壊され、この世を去った。
　しかし、アヤカシの中に残されていたプログラムの1つに、新たな自我が芽生えていたことには、誰も気付かなかった。
　そうして生まれた“彼”は、潜り込んだTAPに棲み付き、音楽を奏で続ける。それは人々を楽しませるため？　自らの出生の悲劇を伝えるため？　あるいは誰かを殺すため？

　そのような生い立ちではあるが、普段はノリは軽く悪戯好き。興味を持ったものなら、どんなクダラナイことでも喰らいつく。気に入った誰かのIANUSやポケットロンなどに自分自身を勝手にインストールして潜り込み、居付くこともある。
　自分の足音に妙な効果音が入ったときは、一応調べてみることをお勧めする。

※　肉体がソフトウェア＝データというほとんど実体を持たないもののため、登場は電脳意識体のみとなります。

▼能力値上昇　10
▼技能修得　105+65=170
▼常備化　65
10+170+65=245
245-145=100