「例え腐敗していたとしても……私が守るべき場所はここだけなのです」

　　　私は望まれた生を受けなかった。
　　　ただ、気まぐれに拾われただけの存在。
　　　10になるころには障害のある体を捨て、今の体を手に入れた。
　　　人ではなくなった、そう言われたこともある。
　　　でも、それでもよかった。

　　　だって……私は、新たな生をはぐくむことは望んでいないのだから。

神凪には珍しい全身を義体化した女性。
家の望むままに世界を駆け、任務をこなす。
元来は神凪の血族ではないため、神凪の姓を名乗ってはいるが、冷遇されている。神凪の敷地内で暮らすことも今は許されていない。
だがまぁ、それでもよいと思っている。

　　「貧しきときに受けた施しは、幾日幾晩かけても語り尽くせぬものですよ」

……そう、彼女は微笑むのだから。

▼能力値上昇
▼技能修得
▼常備化