「赤か、好みの色だな……ぶげらっ」
　匍匐前進で上を見上げながら――一直後、顔面に踵が落ちる。
　――老いてなお盛ん。

「あぁあ、面倒くせぇ――何時だって、俺は馬鹿どもの尻拭いだ」
　――酒を飲みつつ、苦笑。

「馬鹿どもが。どいつもこいつも、喜び勇んで死んでいきやがる。朗らかに、高らかに、そして悉く――ったく、年寄りに嫌な物を見せてくれるなよな」
　――十年前の事件の際に。


　隻眼に隻腕のフリーランスの老カタナ。
　魔剣を片手にアストラル関係の事件を追う退魔師。
　酒色を好み、時に変態呼ばわりされながらもふてぶてしく世を渡っている。
　老いてなお盛んな、好色な老人である。
　飄々とした外面と裏腹に、己の妻が堕天したアヤカシを長い年月追い求めていた。
　片腕と片目は、件のアヤカシとの接触にて喪ったもの。
　先日、全ての因縁に後始末をつけ死亡した。
　享年70歳であった。

　

　以下は、設定のみ。


　三代目聖母を中心とする真教初期メンバーの一人。
　真教組織が体系化される過渡期の退魔組織であり、今は伝説として聖母殿の騎士達に語り継がれる“聖槍騎士団”。
　宗重はその副団長を務めた男である。
　三十年以上の歳月を、三代目聖母等と共に真教の基盤設立のために尽力。
　信仰心は薄いが、その世慣れた知識と経験は組織の危機を何度も支えた。
　退魔局局長に押されるも、己の信仰心の薄さを理由に辞退。
　騎士団員達の生活基盤を確保した後は、全てを同輩と後輩に任せひっそりと組織から消えた。


　かって自身も“聖槍騎士団”の一人であった、聖母殿の英雄“紫電公”ランベルト･フェイスラー老。
　彼は宗重を評してこう言った。

　『勝利の後には必ず遅れ、敗北の後には真っ先に駆けつける――』
　『副長……宗重殿はそんな方であったよ――』


　知り合いの娘である、芳河　佳奈美は彼を称してこう言う。

　『ちゃらけてるのか、本気なのか。わからない人ですよ』

　生前に、良くぶつけていた言葉は。

　『いい加減に隠し場所吐いたらどうなんですかァッ!?』
　『……あの世までの超特急に乗りますか。遠慮は要りませんよ。』

▼能力値上昇
▼技能修得
▼常備化