「お前に活きる価値は無し。殺にて冥府へと逝け」

T.F.は既に形骸である。
粕川うららは表舞台を去り、かつての理想を実現する力など欠片も残っていない。ただ、権力あるものにいいように扱われるただの傀儡となった。そんな評価が内外に流れている。
時代は流れ、多くの者がT.F.を去っていった。
そして、前進となったアサクサ自警団の者もまた同じ。――その中の在る一派が作り上げた集団が、アサクサ浪士隊である。

彼らは人を容易に斬り捨てる。力でもって治安を維持するからだ。
彼らは裏の依頼を担う。人は利権、金で動く、理想だけでは人は動かぬからだ。
彼らは悪を為す。もっと深き悪を斬り捨てるために。

彼、杉村平治もその一人。
桜華道場にてその剣を鍛え、メルトダウン、ブロッカー、ゼロなど名だたる剣の使い手と共に歩んだ。アサクサ自警団にいの一番に参加した、理想に燃える若者だった。

だが、腐りゆくT.F.に絶望。――己が理想を貫くため、同志たちとアサクサ浪士隊を結成する。
優しい青年は、餓えた狼へと変じた。護ろうとした人々と、育った故郷と、理想の為に。

24で受けた皆伝を返上した。
けれど、いまだ彼の名は桜華道場に掛けられている。


右腰の活と左腰の殺。二種類の剣を使う。
活かすべきと定めたものは非戦の証である右腰の活を。
殺すべきと定めたものは必殺の証である左腰の殺を。
その業には一点の曇り無く――彼の本質を示しているのだ。

▼能力値上昇
▼技能修得
▼常備化