「あたいに逆らうなら誰であろうと潰すよ、それが正統であろうとなかろうとだッ」
　　　　　　　　　　　　　───揺らめく力、揺らめき出でた鞘、鞘に剣が納まり………

　透き通る程の白い肌、燃え上がるような山吹色の瞳、そして完全に無色透明な景色さえも透ける程の透明な長髪は、光に反応し虹色に美しく輝く。そして、幼く綺麗に整った顔には全てを憎むような挑戦的な瞳が張り付き、野生の獣のように調整された人造の肢体は、目標を無慈悲に狩り獲る創られしの狼の様ですらある。


光学、電磁、火炎、疾風、水雲、大地、重力、器物、生物、虚無の十種十型の現象使い。
上記の十種もの現象を顕現させる精霊を宿す鞘を創り出す少女である。

それぞれの精霊が宿す際の剣の呼び名は順に、光王剣、磁王剣、焔王剣、風王剣、水王剣、殻王剣、圧王剣、機王剣、生王剣、虚王剣となる。 
　
　
　オリジンとは、汎元殿での一つの頂点。
　元力を使い、力を振るい、能力を持つ者の一つの頂点の形であり、全ての到達点。その場所になる為には天賦の才と類稀なる運が必要となる事は容易に想像ができよう。だが、異才があろうと、正統な力でなければ意味が無く忌み嫌われるモノとなり、オリジンとは認められる事は絶対に叶わない。しかし、無いモノを足掻き求めてしまうのが人であり希望なのだ。そして、人は道を踏み外し、外道へと堕ちていく………。
　それが………、彼女である。
　
　少女は力を持っていた。
　古来より伝えられし十王剣の力に酷似した、十王の力を自ら創り出す、異能の力。
　だがそれは、異能であり異才、知られてはいけない力であった。だが、少女の父と親族は、一族は求めてしまったのだ王の座を。少女の力があるならば！　考えてしまった。正の十王でも、負の十王でも無い新しい十王の力、外道の力、忌み嫌われた外道の十王剣。少女は、禁忌とされた十王剣の鞘であった。そう、求められたのであった…。
　
　少女が汎元殿から追放されるのは真なる道理であった。
　それゆえ一族郎党皆殺しであり、過去に栄光が謳われた名家は存在すら歴史から抹消される。そして、少女が残された。残されたのではない、抹消する事すら叶わぬほど少女の力が強大だったに過ぎない。だが生き残る事に精一杯行使された力には、もう過去の異能は殆ど残っては居なかった。既に擦り切れたボロ布のような少女には、もう満足に“鞘”を維持する事すらままならない。力の残りカスしか残されていないのだ………。
　
　だがいつの日か、復讐を果たすために。
　
「…その力が憎いんじゃないよ、あたいの力が………、憎いんだ───」
　　　　　　　　　　　　　　　　───十の力、鞘の内からあふれ出る力、それだけが全て

▼能力値上昇　▼一般60/特技20/コネ25　▼常備化167　■ブランチ50