「某、ユフィンリアと申す。剣の徒にして、世をあやかす者なり。なに、この喋りは既に地です。芝居のかかった自己紹介ですが、お気になさらず」
　　　　―――苦笑を浮かべつつ
　
「―――……この身、百の齢を重ねたばかりの浅き身なれど……剣の腕ではいささかも劣らぬと信じておりますゆえ」
　　　　―――彼女なりの誇り
　
　
　芝居かかった喋り方をする、吸血鬼のお姉さん。穏やかで忠義に篤いが、どこかズレている。
　彼女を吸血鬼化したマスターが日本人だった（その頃、災厄前）せいで、妙な部分で日本通。というか、なんとなく侍かぶれ。
　月見酒を嗜むのを何よりの楽しみにしている。
　が、飲むと暴れるのでサロンのアヤカシは誰も彼女の晩酌に付き合おうとしないのが最近の悩み。飲むと『クケーッ！！』とか奇声を上げて剣を振り回すらしい。
　周囲の友人曰く『野生に帰る』。酷い話である。
　
　基本的に真面目なのだが、どこか抜けている。
　電子機器の扱いは苦手であり、ポケットロンの通話機能を使うのが関の山。
　どのくらい苦手かと言えばエアコンの温度調整が分からず、誤って冬に冷房全開で過ごした事が災厄前にあるくらい。
　なんか今年は冷え込むなぁと思っていたそうな。死ぬわ、普通は。
　
　ただ、クソ真面目な性格ゆえか、剣の修練は災厄前から今に至るまでずっと続けて来ている。
　それ故、特に才能に恵まれていたわけではないのだが、剣の腕はかなりのもの。
　
　ただ―――齢を重ねても薄れない血への渇望。吸血鬼への本能が、彼女を何よりも悩ませている。
　
　
「―――例え、護るべき人物であろうとも……その肌に牙を付きたて、血を啜りたい。そう考えずにはいられないのですよ、某のような弱い吸血鬼は、ね」
 
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▼能力値上昇
▼技能修得 40+15+15+15+20+5
▼常備化 27

二つ名の読みは『つくは』