「わたしはっ、オリジンの末裔っ、“火炎魔人 -Fire Starter-”だァ――――ッッ！」
――例え分不相応にその名を受け継ごうとも、

「なら強くなればいいんでしょう！　なってやる、誰にも文句は言わせない、最強のバサラに！」
――決して折れず、曲がらず、

「――それが、わたしの誓いだ！」
――ただ、真っ直ぐに、遥かなる高みへ。


“火炎魔人 -Fire Starter-”。
その名を知らぬものはアストラルにはなく、しかしその正体を知る者は少ない。
真実を知れば目を剥くだろう。いま、その二つ名にもっとも近いのは、年端も行かない幼いとも言える少女なのだから。
彼女は始祖たる六統十二元――プライム・オリジンの正統なる血脈に連なり、生まれたときより汎元殿幹部の地位を約束され、そして事実、ある歳までは期待に十分応えていた。先に“火炎魔人”の名を受け継ぐことになったのも、その身に秘めた炎の純度の高さゆえである。
――だが彼女自身の戦闘技術は、まさに素人同然。間違いなく実力不足、炎術以外の才能もなく、その力にしても手にした刀に大きく依存するもの。何故こんな少女が、と誰もが思う。
事実、汎元殿の幹部には彼女をあからさまに嘲笑う者が大半だ。そこらの術師にも遅れを取るような小娘、と。

だがそんな嘲笑とは無関係に、彼女の誇りは本物だ。
誇りとは驕りではなく、
誇りとは力ではなく、
それは諦めず、高みを目指す心に他ならない。
その意味で言うなら、彼女の心は確かに誇り高い、オリジンの血統に繋がる者が持つそれだろう。

それでも実力不足は紛れもない事実。
現在は、彼女を恥とする汎元殿により修練の名目でＮ◎ＶＡに送り込まれ、『その名に相応しい功績を挙げることで幹部候補として認める』という指令を下されている。
――事実上の追放である。

だが、彼女は諦めてなどいない。その赤い瞳で真っ直ぐに前を見据え、微塵の迷いも無い心で断言するだろう。

「ならば、その修練を最高の形で終えてやる！」

その名に相応しくもない住まいにも生活にもめげることなく、彼女は今も災厄の街で必死に戦っている。
彼女を妨げる、全てのものと。


ちなみに。“灯華”はとある少年につけてもらった名前らしい。プライヴェートな知り合いにしかこの名を知っている人はいない。
彼女の名は、生まれたときから宿命付けられたオリジンへの道ゆえに、つけられることはなかったのだ。


報酬点・13点


image song1:『真赤な誓い』（『武装錬金』ＯＰテーマ）
image song2:『being』（『灼眼のシャナ』第二期ＯＰテーマ』

Illustration:
http://zerotoki.web.fc2.com/another/tohka.html（零時さんより頂きました。激感謝ッ）

▼能力値上昇
（０）
▼技能修得
（５０＋２０＋１０）＋２５＋５
▼常備化
（４０）＋６