あるところにお嬢様がいました。
彼女は世界の富を独占する特権階級に生れ、何一つ不自由なく暮していました。
でも、彼女は全てを怨んでいました。
彼女は自分が嫌いでした。人間が嫌いでした。
悲惨な暮らしを送る貧乏人を踏み台にしてのうのうと生活している特権階級を憎み、彼らを憎みながらも特権を手放せない自分を憎み、富に踏みにじられる苦しみを知りながら踏みにじる側に回ろうとする貧乏人を憎み……無限に湧き続ける、全てに対する憎悪に駆られるままに人をなぶり殺しはじめました。
殺しても殺しても飽き足らない彼女は、次第に人ではないもの――アヤカシ――に興味を覚えるようになりました。
アヤカシの魅力に取り憑かれた彼女は退魔師に化物を捕えさせては殺し、解剖し、生きたまま貪り食い……そして人ではなくなりました。

彼女は化物の視点から世界を見、……そのときはじめて世界が素晴しいと思いました。
人間でなくなってやっと、人間の醜さも尊いものだと思うようになりました。
人間としての人生を生きたいと思うようになりました。



――都市伝説“Ｐ・Ａ”――
どんな人間にもなってくれるモノがいるという。
どんなものにも姿を与えてくれるモノがいるという。
死んでしまう自分、初恋のあの人、死地に赴く者の身代り、
二次元のアイドルでも、危険な調査をする工作員でも、それこそ何にでも……。
それが要求する対価は金だったり、小さいころから一緒だったぼろぼろのぬいぐるみだったり、自分の子供の命だったり、死後の魂だったりする。
それの正体はわからない。けれど一つだけ確かなことは化物なりに、人間に興味と好意を持っているということだ。


できること
精神的に痛めつける
潜入調査、情報引き出し、
周囲や本人にも気づかれずに護衛
監視
攻撃・破壊
……等々

普段はお嬢様。「〜〜ですもの」「大変〜しゅうございます」等、絶滅したはずの古語を操り、使用人にかしずかれて生活する。
但しその正体は不定形の物体Ｘ。にょろにょろして腕からヴィークルを生やしたり人に化けたりする。
誰かが持っている（持っていた）、知られることのない想いを代りに表現することが特に好き。

▼能力値上昇 0
▼技能修得 270
▼常備化 52