「大地は嘆き、空は怒っている。ワカン・タンカの声、お前達には聞こえないか？」

ダコタ族の末裔を名乗る、インディアンの娘。
もともと北米のニューフォート出身だが、そこでの生活に馴染めず、かつてインディアンの聖地であった、災厄によって今は名だけが残る、ブラック・ヒルに家族で移り住む。
過酷な環境でありながらも、穏やかに暮らしていたある日、猛烈な雷雨に襲われ、巨大な落雷によって彼女の家族は全員死亡してしまう。同じ場所で雷に撃たれたはずの彼女だけは、少々の火傷程度のケガしかなく、生き残っていた。
しばらくして彼女は、ワカン・タンカ（Wakan Tanka=グレート・スピリット）と、かつてそこで生きたインディアンの戦士たちの声を聞く。
彼女の全身に残っていた火傷の跡は、不可思議な形の紋様となり、以来彼女はスピリットを引き出し、その力を具現化し行使出来るようになった。

間も無くして彼女は、母なる大地、ワカン・タンカの嘆きの声を聞く。その嘆きの発端となり、空の怒りを買っている者たちがいる。
その者たちの住む場所は、トーキョーN◎VA。
大地と空の意志を皆に伝えるべく、彼女はN◎VAへ渡った。

現在は大地を慈しみ、自然を愛せよ、とストリートで市民に語りかけているが、
すでに享楽と背徳にまみれたN◎VAの住民達は、そんな彼女の声には耳も傾けないでいる。
それでも彼女は、めげずに毎日、路頭で自然愛護の演説を繰り返しているのだ。

※ちなみにインディアンだからといって、片言でしか話せないわけではない。
本来の言語であるダコタ語が大方失われた現在では、彼女も流暢な英語・ニューロタングで会話する。
精霊との対話はあくまで精神での会話なので、言語などは必要としないのだ。

※関連
インディアン…誇りある北米先住民族である彼らに対しては、あえて“インディアン”と呼称する。
ワカン・タンカ…ダコタ語で「偉大なる大地」もしくは「偉大なる精霊」の意。インディアンの自然信仰における最高存在。神。
ワキヤン…ダコタ語で「雷」の意。12のスピリットのうちのひとつで、「鳥」として表現される。
メディシン…スピリットのもたらすあらゆる自然の神秘を尊敬し、感謝すること。「薬」はその一部にすぎない。
パイプ…インディアンの信仰において神聖とされる物品のひとつで、代々伝えられるもの。ダコタ族はワキヤンに祈りを捧げる時にパイプを使う。

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