「私は信じているのだよ。人はそこまで愚かなのだとね」
　　　　　　　　　　――自らの存在を削り、浄化派と敵対する理由を問われ。

「くれぐれも『浄化』等に走らないでくれたまえよ。それは私にとってひどく都合が悪い」
　　　　　　　　　　ーー悩める敬虔な聖母殿関係者を前に。　　　
　
　浄化派と敵対し、聖母殿に味方する悪魔。
　その理由は人の真の堕落のため。
　彼の悦びは自らの築き上げた文明によって、人が堕落し腐り果てた存在に堕ちゆく姿を見ること。

　今のニューロエイジは彼の理想どおりの流れであり、この先の百年二百年後にはより救い難い人類の姿を見ることが出来ると思っている。
　そのため、今の形を壊そうとする浄化派及び、アストラルや超越的存在からの人への介入の悉くを妨害する。
　人は自らの愚かさによって、どこまでも救いがたい存在であると神に証明すべきだと信じるが故のことである。

　聖母殿に肩入れするのは『救済』と『堕落』と言う目的は違えど、その取る手段において彼と等しいと判断するため。そして聖母殿よりも浄化派に人の『救済』の可能性を見ているためだ。
　それを知るが故に、聖母殿の関係者は蛇蝎のように彼を忌み嫌う。
　また、葛藤する聖母殿関係者の姿をみることが大いに悦楽であることもその理由だ。
　
　古来からの知り合いは“楽園の蛇”や“背徳のプロメテウス”と呼ぶこともある。
　人の堕落を望むが故の文明の守護者、それが彼の持つ側面である。


　かって、彼は人の女と賭けをした。

「人はそこまで愚かでない」
「人はそこまで愚かである」

　その答を見出すまで、彼の歩みは止まることはないだろう。

▼能力値上昇
▼技能修得
▼常備化