※このキャストは協調行動を行いません。単独行動前提の魔器です。

「どうしても呼び名が欲しければ――…“クロムハート”そう呼べばいい」

　――彼の身体は紛れも無く剣で出来ていた。
　
　ほんの数ヶ月前まで人であった彼は、家族旅行で赴いたヴィル・ヌーヴで人としての生涯に終止符を打った。
　それを為したのはとあるアヤカシである、今思えば力無いアヤカシでも当時の彼と彼の家族にとってはどうにもならない存在だった。
　目の前で家族は殺され、ただ一人死に切れずその光景を見詰め――無様に死に行くだけであった彼を救ったのは一人の魔女だった。
　その魔女は彼と彼の家族を蹂躙したアヤカシを事も無げに葬ると。
　
　――あら、まだ生きてる？
　
　少し驚いた様子でそう問い掛け。
　
　――人を止めて生きるか、人として死ぬか選びなさい。
　
　次に、とても真摯な声音でそう問うた。
　彼の中で、その質問の答えはもう決まっていた。
　細かい理由は色々あったけど、ただ純粋に――死にたくなかった。
　生への渇望、人としての当然の欲求が彼に人を捨てる事を選択させた。
　かくして、人であった彼はこの世から消え去り――魔女の手によって一振りの剣がこの世に誕生した。
　百を、千を、万を超える無限の剣を従えて。
　人に害為す魔を断ち切る鉄の戦士が。
　
　その生き様の先に何があるかはわからない。
　それでも、人としての名を捨てて彼は剣を振るい続ける。
　そうすれば、過去の自分を救えるとでも言うかのように。

▼外見
　やや細身で鋭い目付きをした学生服の少年。
　全体的な印象は日系人なのだが、髪の色や瞳の色は黒と言うよりは鈍い輝きを放つ鋼鉄のそれである。
　戦闘時には魔術回路が刺青のように全身に浮かび上がり、虚空より出現する無数の剣と人外の気配からすぐに人ではない何かだと知れる。

▼魔術回路“剣使い”
　古今東西の聖剣、魔剣、神剣などの知識を記した書物を溶かし込んだ短剣。
　武器と言うよりは術を補助する為に作られた剣で、未熟な魔術師の補助器具だ。
“クロムハート”の朽ち果てた肉体と融合し、その身を生かし続けるこの剣は三つの武器を彼に与えた。
　一つ、溶かし込まれたありとあらゆる剣の知識。
　二つ、それらを無尽蔵に複製する“剣”にだけに特化した変化の術。
　三つ、最後に与えた力、それは複製した剣を自由自在に扱う術。
　未熟な彼の複製した剣は劣化が激しく、とても伝承に伝わる名剣には及ばないが、ありあまる数によって質を補っているようだ。

▼能力値上昇 ▼技能修得[120]+110 ▼ブランチ +40 ▼常備化 +50